平らな島と地下のダム

 宮古島は平らである。トーキョーで生まれ育って、よく出掛けるのが長野県の八ヶ岳という生活をしてきた僕の感覚では、「島」というと中心部に山もしくは火山があって、その裾野が陸地部分になっている、そんな強いイメージがあった。隆起して出来る島もある、と知識で知っていても、感覚としてつかめないというか。山がない島という想像が全く出来なかったのである。ところが宮古島は、その火山がない島の1つだ。

 ちょうど2005年2月にニューヨークからフロリダのキー・ウエストを目指してドライブしたことがある。そのときにもアメリカ大陸の大西洋沿岸は本当に平らで、フロリダ半島の先から点々と連なる島も山がなくて、海にへばりつくようにして連なっている。それを見たときにカルチャーショックを受けたが、同じような構造の平らな島が日本にもあるのだ、と言うことで再びショックを受け、また発見をした感覚だった。

 宮古島に限らず琉球列島全ての島が、地震などが繰り返し起きて隆起して出来た島々なのだそうだ。宮古島には川がない。多孔質の「琉球石灰岩」を土壌としているため、そのまま浸透し、水を通さない「島尻層」に当たると、地下水となって海へ流れ出ていくからだ。雨水が石灰岩を通って浸透して濾過されていくことと、川の浸食で土砂が流出しないことから、宮古島の海はキレイに保たれているのだそうだ。

 しかし水源という意味では山や川がない宮古島には分が悪い。特に宮古島は、古来から干ばつの被害に悩まされてきた島だ。そんな話をサトウキビ畑や果樹園を営んでいる人から話を聞くことが出来る。年間降水量2200ミリと雨はたくさん降るのだが、その雨を蓄えておく自然の仕組みがないからである。

 地上に水をためられないのなら、豊富な地下水を何とか出来ないか。宮古島のダムは地下にあるのだそうだ。

 宮古島の地下の「島尻層」は谷を形成していて、いわば地下に川が存在している構造になっているそうだ。これをせき止めて、石灰岩の地層に貯水すればダムを造ることが出来る。本当に思っても見なかったアイディアだ。2000年ごろから水の各種施設が稼働をし始めている。地表面に見える変化はないが、人間が自然をいじるのである。どこにどんな影響が出るのかというアイディアもまた、浮かばない。

Posted : 2005年09月07日 02:01 Permalink


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